食物アレルギーは他人事ではない!「食」と「体調」はどう関係している?食と健康について医師にお聞きしました!【前編】

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■はじめに

日々のごはんって、いろいろなことが大切です。

味も、見た目も、いい匂いがすることも、食材の安全性、調理の衛生面、栄養、旬、新鮮さ、食べる方々の満足度も、大いなる楽しみになることもすべて大切です。どこに偏り過ぎてもいけない。だからこそ、やはり、私たちのバランス感覚と瞬時の判断力が大切。
それは、言葉にすると簡単ですが、実践するのはとても難しいことだからこそ丁寧に生きよう、そう思って、日々の「お届けごはん」を調理しています。

そんな私が日ごろから大いに学ばせていただいているのが、篠原クリニックの篠原隆雄先生。書道の朝活仲間であることから知り合った篠原先生は、私と一緒で、美味しいもの大好き、お酒大好き。「からだ」「健康」と「食」と「農」の深いつながりに造詣が深い篠原先生は、いろいろなものを食べては自らの血液検査をして、その内容をホームページで公表しているようなユニークなお医者さんです。

品川区青物横丁の篠原クリニックでは、原因のわからない不調に悩む方が訪れては、先進的な食物アレルギーの検査・治療によって回復されているケースが多々あることを耳にしました。アレルギーをもつ子どもが急増しているだけでなく、病気ではないけれど、いつも体調がすぐれないという大人が増えている昨今、私たち自身がからだを守るためには何をどう食べればいいのか?ということに関して、じっくり時間をかけてインタビューをさせていただきました。

【インタビューに協力してくださった先生】
篠原クリニック 院長 篠原隆雄医師
HPはこちら

【インタビュアー】:お届けごはん代表 さろん楓 印南真帆

■先進的な食物アレルギー検査を実施

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印南:篠原先生のところでは、原因不明の体調不良に悩む方が食物アレルギーの検査・治療を通して回復されているケースが多いとお聞きしました。どのようなケースが多いのでしょうか?

篠原:食物アレルギーの検査は大別して2種類があります。一つは「IgE食物抗体検査」というもので、今の日本で主に行われている検査です。これによって、15分以内に鼻水や息苦しさといった症状が現れる即時型の食物アレルギーのアレルゲンを特定することができます。しかし、私が注目しているのはもう一つの食物抗体検査である「IgG/IgA食物抗体検査」です。こちらは一般に「遅延型フードアレルギー検査」とも呼ばれているもので、その名の通り、数時間から数日程度でゆっくり起こります。この検査では、最大で219項目に及ぶ食品に対するアレルギーの検査結果を得られるので、通常のIgE食物抗体検査では原因のわからない患者さんのアレルゲンを特定することができるのです。

印南:ということは、一般的に知られる牛乳、卵、小麦、そば、えび、かに以外の食品に対しても、私たちはアレルギー反応を示すことがあるということですね。遅延型と呼ばれるIgG/IgAの食物アレルギーは、どのようなものなのでしょうか?

篠原:遅延型の症状は消化器症状として腹痛、下痢、便秘、過敏性腸症候群等、精神症状として気分がイライラしたり、憂鬱になったり、子供の場合は多動性障害などを起こします。また、皮膚症状として蕁麻疹、湿疹、口腔内の荒れ、片頭痛症状を起こす方もいます。

印南:精神的な症状は、一般的にストレスが原因とされることが多いですが、食事が原因ということがあるのですね。

篠原:IgG/IgA食物抗体検査は、日本ではまだ十分に認知されていませんし、この検査を行っている医療機関も多くはありません。しかし、私のクリニックには、「他の医療機関でIgE検査を受けたものの、食物アレルギーの原因が特定できなかった」という患者さんが多く来られますし、当院のIgG/IgA食物抗体検査によってアレルギーの原因が判明し、症状が改善されたというケースがたくさんあります。

■自らの体験をもとに、IgG/IgA食物抗体検査をスタート

印南:なぜ篠原先生はIgG/IgA食物抗体検査を取り入れられたのですか?

篠原:実を言うと、私自身は長年、原因不明の腹痛と下痢と蕁麻疹に悩まされていました。従来のIgE食物抗体検査を受けても原因がわかりませんでした。ところが10年ほど前に、偶然IgG食物抗体検査のことを知り、試しに受けてみたところ、なんと卵と乳製品と生姜がアレルギーの原因だと分かりました。テレビで、生姜コーラで風邪を引かないからだになると知って、生姜をコーラで煮だして飲んでいたのです。

印南:健康食材と考えられている生姜ですが…。

篠原:からだにいいと信じて毎日食べていたのですが、実はそれが逆効果だったわけですね。

印南:テレビや雑誌でいいと言われたものをひたすら摂り続ける単品信仰は、多くの方が陥っている罠ですね。子どもの患者さんも多いですか?

篠原:最近は小学生が多くなってきています。小学校に上がると給食を食べるでしょう。すると、今まで食べてこなかった食材を食べるようになり、アレルギー症状が出る。ところが近所のクリニックでも、大学病院に行っても原因がわからない。最後に私のところに検査に来るケースが多いのですね。症状の多くは下痢、腹痛、蕁麻疹です。

印南:どんな食品のアレルギーが多いですか?

篠原:やはり卵、乳製品が多いですね。その二つを試しに一週間ほど取らないようにすると、それだけで多くの症状がかなり良くなる方がいます。あとはパンの小麦が原因になっていることがあります。どの食品も給食でよく出てくるものですよね。それから、盲点になりがちなのがヨーグルト。体にいいからとお母さん方が子どもに食べさせるのですが、乳製品なので体に合わないことがあります。私は年に100人ぐらい食物抗体検査をしていますが、アレルゲンとなっている食物をやめるだけで、患者さんの半分はよくなります。偏頭痛やイライラが収まることも多いですね。

印南:もし、それらの食物を断っても改善しないケースはどうすればよいのでしょうか?

篠原:その場合、腸の調子が悪いことが原因の場合が多いです。ビタミン剤や整腸剤を使って腸の働きを改善させると、残りの半分もたいていはよくなります。それでもだめなら、消化酵素を使う方法があります。たとえば最近、アメリカではグルテンアレルギーの患者が増えていますが、日本でも同様の傾向があり、私も実はグルテンアレルギーなので、小麦を食べるときにはグルテンを消化する酵素も一緒に摂るようにしています。ちなみに、腸内環境がよくなると、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンも多くできるので、精神的にも安定してイライラや頭痛が治ったりするんですよ。

■日本人には、日本古来の食べ物が合う

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印南:では、腸内環境をよくするために、私たちはどのような食生活を心がければよいのでしょうか?

篠原:やはり古来日本人が食べていたものを食べるのが一番いいでしょう。たとえば、日本人は昔から米を食べてきましたが、それは長い間、白米ではなく玄米でした。玄米は皮の部分に豊富な繊維質があるので、血糖値が急激に上がるのを防いでくれていました。ところが精米技術が普及し、糖分の塊である白米をそのまま食べる習慣がつくと、糖分の吸収が早くなり血糖値が急激に上がってしまうようになった。さらに、皮の部分に含まれていたビタミンが失われてしまうのも、健康にとってはマイナスです。

印南:おっしゃる通りですよね。私が手掛けているお届けごはんで、あまり白米を炊かないのはその理由からです。

篠原:それはいいことですね。発芽玄米もお勧めですよ。

印南:「食べ方」については、何か気を付けるべきことはあるでしょうか、先生のお考えをお聞かせください。

篠原:食べ物に含まれた酵素を有効に取り入れることですね。ご存知の通り、酵素は健康に役立ちますが、高温で熱すると死んでしまうという特性があります。たとえば味噌には酵素が豊富に含まれていますが、味噌を入れた状態で味噌汁を沸騰させてしまうと酵素の効能がなくなってしまいますので、いくらかぬるめの温度で味噌を入れるのがお勧めです。また、野菜にも酵素は含まれています。生野菜と温野菜を半々で食べると免疫力がつくと言われています。

印南:では、避けたほうがいいものはありますか?

篠原:やはり、天然の食材、調味料以外のものを多く食べていると免疫力が落ちてくるようです。市販されているお惣菜のパッケージを見ると、色素、増粘剤、殺菌剤のほか、何か見当がつかないようなものがいっぱい入っていて、まるで工業製品のようなものですよね。調味料も良質の、塩、醤油、味噌、みりんといった自然の食材だけを摂るのがベストです。とはいえ、あまり厳格に食物を制限する必要はないと思いますが。

印南:無理をすると日々の食事が苦しくなってしまいますよね。ただ、そのさじ加減を難しいと感じる方が多いのも事実です。私は、たとえ添加物が入っていても、それでもこれが好き!と食べること、これはみんなで楽しむための食!ときちんと認識して食べることが大切と思っているのですが、篠原先生の具体的な気を付け方を教えてください。

篠原:あ、僕もそうしてますよ。クリニックの前の通りは、旧東海道なので6月にはお祭りがあり、僕も神輿をかつぎます。そんなときは、パックに入った焼きそばやたこ焼きなどなんでも楽しんで食べてますね。普段でもハンバーガーやジャンクフードも時々食べたりしています。行き過ぎた抗菌社会になったことで人類の免疫力が下がってしまったように、やはり、過ぎたるは及ばざるがごとしなんです。楽しむこともものすごく大切ですよ。

印南:このお話でちょっとホッとされた方は多いのではないでしょうか。篠原先生、今日はありがとうございました。

■まとめ

食物アレルギーという診断を受けたことがない人にとっては、アレルギーは他人事であり、他山の石。「大変ねぇ」と片付けてしまいがちなトピックですが、ひょっとしたら、検査項目が少ないだけで、日々いいと信じて口に入れているもの、当たり前に毎日摂っているものがからだに合わない、なんとなく不調の原因になっていることもある…ということです。
本当に食べたものに私たちのからだは反応し、食べたもので作られていますね。

どう食べたらいいのか?何を選んだらいいのか?

後編ではさらに「食」の根源までさかのぼり、
これからの食と農業のあり方についても語っていただきます。
どうぞお楽しみに。


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